正反対の天才二人
今年に入ってセルフプロデュースブランドであるSpecialite & Entreeの製作にGum-A-Mama Leathersの本田宏治さんにご協力頂くことになりました。年明けから本日を含めて新作を2つもリリースできました。
ラウンド式長財布:『#10』
コインケース:『Glip~Cordvan Ver~』
長財布は現在完売中で次回製作スケジュール検討中ですでにご予約も数件承っている状態で、小銭ケースは本日完成前に販売が始まりました。
早速数件のオーダーも頂いて非常に嬉しいです。
ここ最近、お客様から良くご質問される内容が
「椎名賢さんの作品が今年に入ってリリースされませんが、引退か契約が無くなったんですか??」
と言う、ご質問。
いつかはあるかと想定していた内容ですが、こんな年明け早々来るとはね(笑)。
「引退してませんし、次回の仕込みもしております。」
同じコンセプトで協力して頂ける職人さんが増えると外部からはど~も比較したくなるようです・・・。椎名君は年末にアトリエを姫路から神戸に移転しましたが、年末年始も絡んでアトリエが仕事ができるようになるまで1月は引っ越しの後片づけです。2月は個人的に溜まった仕事してもらって3月からオーダーで完売している作品を製作するってスケジュールです(笑)。アトリエの引っ越しってのは非常に大変なんです。
企画プロデュースをやってる僕から見ると、椎名くん(同い年)と本田さん(年上)は全然異なる作風の職人さんで比較検討できないです。二人共天才的なセンスの持ち主ですよ。
椎名くんの作品は料理で言うならフランス料理かな。
創意工夫をしまくるタイプ。
なんで、シンプルに見えて弄くりまくった一皿をサッとだしてくるタイプ。
通販サイトで販売してますが、オーダーして手元に届いた後、その魅力に感動されるお客様が多いです。で、同業の職人さんがパターンの複雑さに驚かれる事が多いですね。
なんであえて欠点を言うならパターンで試行錯誤して洗練させて行くので新作リリースが非常に遅いです。一度リリースしちゃうと追加製作は早いんですけどね。出来上がった作品は綿密に計算されて製作されている美しさを感じて料理で言うなれば本当にフレンチって感じが魅力の職人さんです。
本田さんは作品で例えると和食の料理人タイプ。
素材の魅力を作品に引き出すのは、もう天才的です。その作品はパッと見て見る人が気にいるか気に入らないかが明確に別れるタイプだと思います。僕は本田さんに出会って惚れ込んだタイプで財布は本田さん製作の財布しか使ってません。
素材の特性を見てさっと卓越した包丁裁きで一番美味しい状態で刺し身にしてくれるような和食料理の料理人を彷彿させてくれます。煮付けにしても素材の味を殺さないタイプ。
和食とフレンチどっちが好きかなんて、僕からしたら両方食べたいので比較検討は無理ですね。お二人勿論直接面識がございますが、お二人ともお相手の作品を製作するのは無理と言って居られます(笑)。
有り難いことにお二人とも非常に僕に良くして頂けるので逆にお二人の作品の製作プロセスが何となく感じれるので、今後椎名くんには椎名君が使いやすい素材選定を行いますし、本田さんには最高品質重視の素材選定(品質が良い革は扱いづらい事が多い)をしていくと思います。
正反対の二人の天才ですよ。彼らは。