日本経年変化協会の会長の徒然日記

『日本のモノ造りは世界トップレベル』一生愛用できる経年変化するアイテムを企画する日本経年変化協会の会長の日記代わりのブログ

ホンマの企画コンセプト。やはりHERMESを意識してしまったのか・・・。

2015年は久しぶりにビジネスバッグを手がけた。

6月にフラップタイプ1950年代のアメリカを舞台にしたの映画『Untouchable』からインスピレーションを受けてリリースしたのが『Elliott Type F』だ。

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クラシカルな本体はそのままに、現在のスタイリッシュなデザインに変更し、従来のダレス(口枠金具式)の常識であるシングルハンドルをダブルハンドルに変更したのが昨日完成した『Elliott Type D』だ。

keinenhenka.ko-co.jp

フォーマルシーンを想定したアイテムの企画は今回、実にやりがいがあって満足した。楽しかった。

 


実はフォーマル・ファッション大好きなんです


僕はスーツを着用しないと思われている。実際ここ数年冠婚葬祭以外スーツは着用していない。日本経年変化協会設立以降本業になってしまったので、アメカジベースのアイテムの企画が多く着用しなくなったのが実際のところだ。

コンサルや医療業界などお固い業界で仕事してる時はスーツに拘った。スーツ専用のムック本などを読み漁り、なけなしの給料をはたいてブランドものスーツなどを買い漁った。お気に入りはトラディッショナルな時はRalph Laurenのスリー・ピース。プレゼンする時はシルエットが綺麗に見えるBURBERRY BLACK LABEL。接待するときはアフターでデザイン的に遊んでいるPaul Smithと使い分けていた。

時計はもちろんROLEXかPANERAI(車以外で初めてローンした)。靴は日常の営業は歩くのでREGAL。プレゼンや接待の時はTrickers。時計もスーツも靴もバッチリ決めても実は一番困ったのが鞄だった。しっくり来ない。若い子でPORTER持ってる人居るけど、そりゃダサい。あれはカジュアルだよ(笑)。TUMIは保険屋の営業が持ってるから嫌だし、何より、スーツに拘ってレザー以外の素材の鞄を持つとど~も安っぽく見える。僕は結局土屋鞄のトートとか持ってました・・・。

「ビジネスバッグを選ぶのは難しい。」

と言う苦手意識ができてしまった。

なので、実は今回ビジネスバッグの企画はかなり資料調べたりしました。

 


自画自賛したい『Elliott Type D』はホンマに傑作。
当分コレを越えるビジネスバッグは企画できないかもしれない・・・


今回のビジネスバッグ『Elliott Type D』The ビジネス感を少し緩和したデザインだ。これは企画担当の僕も製作担当の職人も最大のコンセプトだった。

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『Elliott Type F』と比べてみると一目瞭然。

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『Elliott Type F』は伝統的なクラシカルなブリーフケースの外観デザインを採用している。鞄内部には大量生産ではできない仕掛けを仕込んでいるのだが。

今回リリースした『Elliott Type D』はダレス式(口枠金具式)にすることによって同じ本体の型紙でありながら、全体のシルエットに丸みを帯びている。ダブルハンドルを採用することによって、よりビジネス感をいい塩梅で緩和している。実はこのアイディアはBNIのメンバーで女性の方と雑談していた時に閃いた。仕事ができそ~なおね~様に僕の目には写っていたが(本人はどのように思われるか分からないが)雑談で、

HERMESのKellyは使い込むと汚れてしまって経年変化とは言えないわよね~。」

ブランドの革は経年変化考えて素材選定していないから(笑)。

HERMESはBIRKINもKellyも共通しているのは肘で鞄を持てること。Kellyはシングルハンドルだけど、ビジネスバッグのシングルハンドルデカイのは不自然。じゃぁ~BIRKINみたいなハンドルだと持ちやすいと考えた。

また、これは偶然だが、BIRKINやKellyと同じく鞄本体の外側に一切のステッチが無いのも共通している(笑)。

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ダレス式(口枠金具式)の鞄の欠点は立った状態で鞄を開けられないことだが、腕をハンドルに通すことによって立ったまま鞄を開けられるようになっている。

 

実際昨日公式で発表して、記念すべき最初のお問合せを頂いたお客様は男性ではなく、女性だった。

「アンティーク的なデザインが気になります。女性でも持てますか?」

と。鞄の持ち手一つで鞄の顔が変わってしまうと言う面白い経験もできた。

どの企画も自画自賛しちゃうけど今回はビジネスバッグと言うところで満足できる企画が出来て良かった。